地震が起きたあと、
一番つらいのは「状況が分からないこと」かもしれません。
スマホがつながらない。
家族と連絡が取れない。
どこで何が起きているのか分からない——。
そんな状況に置かれると、
不安が一気に大きくなってしまいます。
でも、災害のときでも情報を受け取る方法は必ずあり、
家族と気持ちを通わせる手段もきちんと用意されています。
この記事では、
被災したときの 情報の集め方 と 家族との連絡手段 を、
できるだけやさしく、分かりやすく整理しました。
「全部を完璧にする必要はありません。」
まずは、この中の一つだけでも知っておくだけで、
もしもの時に、心の負担がすこし軽くなります。
まず知っておきたい“被災時の情報源の基本”
大きな地震が起きると、私たちがふだん当たり前に使っている
スマートフォンやインターネットが、必ずしも頼りになるとは限りません。
回線が混雑したり、電波が入りにくくなったりして、
「つながらない」「家族と連絡が取れない」という状況は、
実際の災害では何度も起きてきました。
まずは、こうした“通信が不安定になる前提”で、
どこから正確な情報を得ればいいのかを知っておくことが、
大きな安心につながります。
スマホはつながらない前提で考える
災害時は、多くの人がいっせいにスマホを使おうとするため、
通信が集中し、つながりにくくなります。
これは故障ではなく、正常な反応です。
・電話がつながらない
・LINEが送れない
・検索が遅い
・動画が見られない
こうした状況は珍しくありません。
「つながらないのは自分だけ?」と焦る必要はなく、
災害時は“みんな同じ状況” と知っておくだけで、
気持ちの負担が少し軽くなります。
誤情報が届きやすくなる理由
スマホが頼りにならなくなると、
SNSでは不安からくる“憶測”や“デマ”が増えやすくなります。
・〇〇が爆発するらしい
・△△が危険区域になっている
・避難所が満員だと聞いた
こうした未確認の情報が流れやすいのは、
誰もが「正しい情報が欲しい」と思うからです。
不安なときこそ、
情報源をしぼること が安心につながります。
正確な情報は「公的機関・ラジオ」に集約される
大きな災害が起きたとき、
もっとも確実で早い情報は“公式の発信”にあります。
・気象庁
・自治体(市区町村)
・消防・警察
・NHK
・防災ラジオ
・地域のFM局
これらは、デマや推測ではなく、
「確認された事実」だけを発信するため、
避難行動を判断するうえで最も信頼できます。
とくに ラジオは、停電時や通信障害時でも情報が届く“最後の頼み” です。
スマホが使えない状況でも、
「とはいえ、情報が途切れるわけではない」
と知っておくことで、被災時の不安は大きく減ります。
家族と“確実に連絡を取る方法”を決めておく
大きな災害が起きたとき、
一番の心配は「家族と連絡が取れない」ことです。
電話がつながらない、LINEが送れない、
どこにいるのか分からないという状況は、
とても心細いものです。
だからこそ、
災害が起こる前に“連絡方法と流れ”を家族で決めておくこと が、
心のストレスを大きく減らしてくれます。
ここでは、誰でも簡単に使える連絡手段をやさしくまとめました。
災害伝言ダイヤル171の使い方
「171」は、災害時に家族の安否を確かめるための国のサービスです。
電話がつながらない状況でも、
自分の声を録音して残せる ため、
不安なときにとても心強い仕組みです。
使い方はとてもシンプルです。
1.「171」にダイヤルする
2.「1:伝言を録音する」または「2:伝言を再生する」
3. 自宅の電話番号を入力して録音・再生
録音した声は、家族がどこにいても再生できます。
“つながらない時でも声が残せる” という安心感が大きな支えになります。
171は“事前に練習できる”。家族で一度試しておく
171は、
毎月1日・15日、そして防災週間などに「体験利用」ができます。
実際に家族と録音・再生を一度やるだけで、
「本当に使えるんだ」と分かり、心に余裕が生まれます。
練習の流れは次の通りです。
- 171にダイヤル
- 録音してみる
- 家族が再生する
これだけで、災害時の不安は大きく変わってきます。
ぜひ、家族のスマホにメモとして残しておきましょう。
災害用伝言板(web171)の特徴
インターネットが使える状況であれば、
「web171」という伝言板も利用できます。
・名前
・状況(無事/避難中など)
・コメント
を掲載できる仕組みで、SNSが不安定なときに役立ちます。
スマホやタブレットから登録・確認できるので、
家族全員が使いやすい方法です。
家族で共有しておくべき3つのルール
災害時は「何をどう決めていたか」が思い出しづらくなるため、
事前に次の3つだけ決めておくと安心です。
- 連絡手段(171・SNS・電話・伝言板など)
- 集合場所(自宅、公園、最寄りの避難所など)
- 優先順位(安否確認 → 移動の可否 → 次の連絡時間)
難しいことを決める必要はありません。
「まずはここに集合しよう」
「連絡が取れなかったら171に入れておくね」
このくらいのシンプルさで十分です。
スマホの情報収集で役立つもの(使い方の注意点つき)
災害時のスマートフォンは、
正しく使えばとても心強い情報源になります。
ただし、
「どこを見るか」「どう使うか」で安心度が大きく変わります。
ここでは、できるだけシンプルに、
“これだけ知っておけば大丈夫” というポイントに絞って紹介します。
自治体の防災アプリ(通知が正確で早い)
市区町村が出している防災アプリは、
災害時にもっとも信頼できる情報のひとつです。
・避難指示
・避難所の開設状況
・給水場所
・交通の最新情報
これらがリアルタイムで届くため、
SNSよりも正確で安心です。
「スマホに何を入れておけばいいかわからない」
という人は、まずこのアプリ1つだけ入れておくだけで十分です。
X(旧Twitter)は“公式アカウントだけ”を見る
X(旧Twitter)は情報が早いですが、
その分、誤情報や不安をあおる投稿も増えやすい場所です。
災害時は、
信頼できる“公式アカウントだけ”を見るのが基本 です。
例:
・気象庁
・総務省消防庁
・警視庁
・自治体の公式X
・NHKニュース
これらは、事実に基づく情報しか発信しません。
逆に、個人の投稿は「便利なときもある」が原則で、
行動判断には向きません。
不安なときほど、
情報源をしぼることが心を守ります。
緊急速報(エリアメール)をオンにしておく
地震や大雨の際に届く「緊急速報」は、
スマホがつながらない状況でも受信できます。
設定でオフにしている場合は、
必ずオンに戻しておきましょう。
これは災害時、
“もっとも早く、もっとも信頼できる情報” のひとつです。
災害時に必ず出るデマと、その見分け方
不安が大きい時ほど、
SNSやメッセージアプリにはデマが流れやすくなります。
よくあるパターンは次のとおりです。
・「◯◯が爆発するらしい」
・「避難所が満員らしい」
・「行政が発表していない情報」
情報が本物かどうかは、
“公式発表があるかどうか” だけで判断してOKです。
逆に、
「誰が言っているか分からない」情報は、
心を乱すだけなのでスルーで大丈夫です。
あなたの大切な時間と心を守るために、
情報源は“必要最低限”で構いません。
ラジオが“最後の頼み”になる理由
スマホが普及した今、
「ラジオって本当に必要?」と感じる方も多いかもしれません。
けれど、大きな災害が起きると、
ラジオは“スマホよりも確実”な情報源として
私たちを支えてくれます。
停電しても、通信が止まっても、
変わらずに情報を届けてくれる。
その安心感は、実際に被災した人たちが口をそろえて語るほど大きなものです。
ここでは、
なぜラジオが最後の頼みになるのか、やさしくまとめます。
停電しても聞ける“防災ラジオ”の強さ
大きな地震が起きると、
電気が止まり、スマホの充電もできなくなることがあります。
そんなときでも、
電池式・ソーラー式・手回し式の防災ラジオがあれば、
確実に最新情報を受け取ることができます。
・避難所の開設情報
・地震や津波の速報
・気象情報
・行政からの発表
・地域のライフライン状況
これらをリアルタイムで知ることができるのは、
ラジオの大きな強みです。
全国どこでも聞ける情報源(NHKラジオ第一など)
ラジオの中でも特に安心できるのが
NHKラジオ第一です。
全国どこにいても放送が届き、
正確な情報が早く手に入ります。
テレビが見られない状況でも、
“音声だけで必要な情報が入る” という仕組みは、
災害時の行動判断にとても役立ちます。
地域のFMは避難所情報に強い
地域FM(コミュニティFM)は、
「いま自分がいる地域のこと」を詳しく伝えてくれます。
・〇〇小学校の避難所は開設済み
・給水車は△△公園へ
・道路の寸断情報
・避難所の混雑状況
など、生活に直結する情報が届くため、
地域のFMは“暮らしの安心”を支えてくれる存在です。
スマホとは違い、
通信状況に左右されないのも魅力です。
手回し・ソーラー付きラジオが安心
ラジオは種類が多いですが、
災害用に選ぶなら
「手回し・ソーラー・電池」
この3つの機能がそろったタイプがもっとも安心です。
・手で回せば充電できる
・太陽光でも使える
・乾電池でも動く
・スマホへ給電できるものもある
たった1台あるだけで、
“情報が途切れない” という大きな安心につながります。
なくても生きられるものですが、
あると「気持ちの支え」になる。
ラジオはそんな役割を持っています。
最新情報を“正確に”受け取るためのコツ
災害時は、さまざまな情報が一気に入り、
気持ちが落ち着かなくなることがあります。
そんなときは、
「何を信じて、どう確認するか」 をあらかじめ知っておくことで、
行動の判断がしやすくなり、不安もぐっと減ります。
同じ情報を複数の媒体で確認する
1つの情報だけで判断しないことが、
もっとも大切なポイントです。
具体的には、
・自治体アプリ
・ラジオ
・公式SNS(気象庁・NHKなど)
この3つで“重なっている情報”を確認すること。
どれか1つが誤情報でも、
3つが同じ内容なら、行動の判断がしやすくなります。
“落ち着いて確認する”という習慣が、
災害時には大きな安心につながります。
スマホのバッテリー節約術(位置情報は“必要な時だけ”オンにする)
地震や停電が起きると、スマホの充電環境が一気に不安定になります。
そのため、バッテリーを守るための工夫がとても大切です。
すぐにできるのはこの4つです。
1. 低電力モードにする
電池の減りが半分ほどに抑えられます。
2. 画面の明るさを下げる
「明るさ50%→20%」にするだけで持ちが変わります。
3. アプリは“必要なものだけ”に絞る
SNSや動画アプリは消費が大きいため、閉じておくと安心です。
4. 位置情報(GPS)は“必要な時だけ”オンにする
位置情報は、見た目以上にバッテリーを消耗します。
・家族に位置を知らせる時
・地図アプリで避難経路を確認する時
以外は オフにしておくのが基本 です。
逆に、
・移動中は一時的にオン
・到着したらオフ
といった使い分けが、とても有効です。
「常にオンにしておく必要はない」と知っておくだけで、
バッテリーの不安がぐっと小さくなります。
情報を家族で共有する仕組みを作る
災害時、家族全員が同じ情報を持っていることは、
安心につながるだけでなく、行動の判断も早くなります。
例えば:
・家族LINEに「重要情報だけ」を送るルール
・避難中は「1時間に1回だけ確認しよう」と決める
・祖父母にも伝わるよう、必要な情報をスクリーンショットして残す
こうした小さな工夫で、
家族みんなの気持ちが落ち着きます。
情報の“量”ではなく、
“質”と“共有の仕方” が安心を作ってくれます。
避難中のコミュニケーションで役立つアイテム
被災して避難している間は、
「家族はどこにいるだろう」「状況はどうなっているんだろう」
という不安が続いてしまいがちです。
そんなときに、
“情報が取れる・伝えられる” ことは大きな安心を生みます。
ここでは、避難中でも落ち着いて過ごせるよう、
必要最小限で役に立つアイテムを紹介します。
小型ラジオ(情報が途切れない安心のために)
スマホがつながらなくても、
ラジオさえあれば確実に情報が届きます。
・電池で動く
・軽い
・スイッチを入れるだけで使える
NHKラジオ第一や地域FMから
避難所情報、給水場所、警戒レベルなどが入るため、
「知らないまま不安になる」状況を避けられます。
避難中のメンタル面にも大きく役立つアイテムです。
モバイルバッテリー(スマホ維持の“命綱”)
避難中のスマホは、
・家族との連絡
・地図
・災害情報
すべてに必要です。
だからこそ、
モバイルバッテリーは1台あるだけで安心度が大きく変わります。
おすすめは次の2種類。
・10,000mAh(1〜2回充電)
・20,000mAh(2〜3回充電)
どちらか1つでも備えておくと、
スマホの不安が大きく減ります。
ケーブル類は“1まとめ”にしておく
避難中に意外と困るのが、
「ケーブルが見つからない」「家族の端子が違う」という場面です。
次を1セットにまとめておくと安心です。
・スマホの充電ケーブル
・モバイルバッテリーのケーブル
・家族それぞれの端子(USB-C/Lightning など)
小さなポーチにひとまとめにしておくだけで、
避難中のストレスがぐっと軽くなります。
メモ帳とペン(スマホが使えない時の代わりになる)
電池が切れてしまったり、
スマホが圏外になった時でも、
メモ帳とペンは“連絡手段”になります。
・家族への置き手紙
・避難先のメモ
・伝言を人に託す
・必要物資の控え
スマホが頼れない状況でも、
文字が書けるだけで選択肢が大きく広がります。
「紙とペンだけでも安心できる」
という心の余裕をつくる道具です。
不安が強い時に“最低限これだけ”覚えておけば大丈夫
災害時は、たくさんの情報や判断が必要になり、
どうしていいのか分からなくなることがあります。
そんなときは、
“たくさんのことを覚える必要はない”
という前提を、まず思い出してください。
ここでは、
迷ったときにこれだけ覚えておけば行動できる、
という3つだけをまとめました。
難しいことはせず、
大切なところだけを押さえておけば十分です。
171で家族の声を残せる
電話がつながらなくても、
災害伝言ダイヤル(171) に録音しておけば
家族はいつでもその声を聞くことができます。
・自分の無事
・避難した場所
・次の行動
この3つを伝えるだけで、
家族が感じる不安は大きく減ります。
「つながらなくても、声は残せる」
そう思えるだけで、心が落ち着きます。
正しい情報は“公式”と“ラジオ”にある
混乱したときは、
情報源をしぼることがなによりの安心につながります。
・自治体
・NHK
・気象庁
・ラジオ(NHKラジオ第一、地域FM)
この4つと、
必要に応じて自治体アプリだけ見れば十分です。
不確かな情報にふり回される必要はありません。
「公式だけを見る」ことで、行動が迷わなくなります。
スマホがなくても情報は取れる
もしスマホの充電が切れてしまっても、
情報が途切れるわけではありません。
・電池式ラジオ
・近くの避難所
・周囲の人が持つラジオ
・自治体の広報車
災害時の情報は、
スマホだけに依存していません。
「スマホが使えなくても大丈夫」
と知っておくだけで、不安がずいぶん軽くなります。
まとめ:情報があれば、不安は必ず軽くなる
大きな災害が起きたとき、
「正しい情報が届く」ことは、心の支えになります。
スマホがつながらない時でも、
ラジオがあれば状況を知ることができる。
171に声を残せば、家族に気持ちを届けられる。
自治体の公式情報を見れば、次の行動を判断できる。
情報が途切れないというだけで、
不安はすこし軽くなります。
すべてを完璧に備える必要はありません。
この記事に書いた “最低限の仕組み” を知っておくだけで、
もしもの時に大きな安心につながります。
あなたや大切な人の毎日が、
少しでも落ち着いて過ごせますように。

